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アートセラピーとその効果 ​その他事例など

アートセラピーとその効果◆

•ドローイング(描く)

今の気持ちは何色?くれよんなどの画材を使い塗りつぶす、線を引く、面を作るなど様々に表現します。こころを感じ、描くことで気持ちが吐き出されスッキリとすることがあります。不安や悲しみ、ややるせなさを出すことで解放感とカタルシスが得られます。

•粘土

粘土のワークは感情が出やすいと言われます。特に日常で怒りの感情を持ちながら過ごしている人は、粘土のワークをすることで行き場のない気持ちが歪めることなく出せます。

•コラージュ

絵を描くことや自分の気持ちをストレートに出すことに抵抗がある人はコラージュで自分の感情に慣れていきましょう。自分に向き合う第一歩としてコラージュはとてもやさしく迎えてくれます。

•ムーブメント

普段頑張っている人、無理をしていることに気がつかない人には、ムーブメントがお勧めです。からだの疲れにこころを傾けて頑張っている自分を労わりましょう。

◆アートセラピー事例◆

•30代女性

3年ほどうつ病で仕事を休職、辛い日々を送っている女性を紹介されました。心療内科にも通院し、抗うつ薬も飲んでいましたが、いっこうに良くならず家に引きこもり、ほとんどの時間をベッドの中で過ごしていました。セッションの予約をしてもセラピーの場所までたどり着けないことが何度もありました。それでもあきらめずに通って来られました。そのころ食事は砂を食べているようだと言われていました。アリ地獄に引きずり込まれるような感覚…。セッションでは、その感覚を絵に描いたり、踊ったり、泣いたり、笑ったり、こころの切り替え方を勉強したり。彼女にとって、それはそれはドラマティックな時間だっただろうと思います。

そのうちセッションの間隔が開いてきました。回復の兆しです。おしゃれをしたり買い物をしたり。やがて職場にも復帰しました。時々しんどいことはあるけれど乗り越えました。そして好きな人ができて結婚しました。カウンセリングだけでは得られなかったセッションの効果だったと思います。

•大学生や社会人などが集まるNPO法人 グループ人数:50名

アートセラピーの目的:職員の親睦

ワークショップ内容:私の大事にしているものを共有する

10名程度のグループに分かれ、各グループがゲーム形式で自分の大事なものを値踏みしていくセッションをしました。自分が何を大事にしているのかがわかるゲームです。何度も考えながら物事の優先順位をつけ、自分と他者の大事にしているものを考えて、より深く「人」を知ることができました。大所帯を運営していくことは大変ですが、このワークショップを通じて、それぞれの大事なものがわかり、親近感を持ったそうです。人はそれぞれ大事なものが違うんだということがつくづく実感できたといいます。今まで以上にみんなが仲良く信頼し合えるようになったと思います。今後のNPO活動が楽しみです。

•京都市内の美術大学学部生と大学院生への特別講義

アートセラピーの目的:自己・他者理解

ワークショップ内容:アートセラピー体験「自分を知る」

学生がアートセラピーをどのように受けてくれるのか楽しみでした。セッションでは、楽しんでいる学生、自分に向き合うことが難しい学生がいました。自分から見る自分、人から見た自分、人に隠している自分、未来の自分をテーマに絵を描きました。自分と向き合うことが難しくてなかなか絵にならなかったり、人の絵を見て感心したりと、反応は様々でした。

普段は授業で絵を描いている美大生ですが、今回は技術はいらないが思うがままを表現することを体験してくれたと思います。

•医療職の部署 グループ人数:5名

アートセラピーの目的:意思疎通を図り、スムーズな伝達で仕事上の行き違いをなくしたい。

ワークショップ内容:心理テスト(性格診断)+アートセラピー(ドローイング)

あらかじめ実施した性格診断テストで、それぞれの特徴をセラピストが分析しました。ウォーミングアップでドローイングをし、気持ちを引き出して話がしやすい雰囲気を作りました。性格診断でわかった各人の特徴をみんなで共有し、お互いを理解しました。自分と相手の特徴が同時にわかったことで、自分の特徴を踏まえながら、相手の対応を考えることを学びました。今までは、相手の反応につい苛立ったり投げやりになっていましたが、その必要がなくなりました。また、適切な言葉が選んで話せるようになり、スムーズなコミュニケーションが取れるようになりました。それぞれの性格特徴がわかったことで、遠慮せずに意見が言えるようになり、仕事の分担がうまく振り分けられるようになったのが大きな変化でした。

◆リハビリテーションアート症例◆

•30代男性

後天的脳萎縮による重度の記憶障害、意欲低下、仮面様顔貌、平衡感覚障害など多岐に渡る障害に見舞われた方がお母さまに付き添われて来られました。セラピー当初は話もできず、椅子に座ったままぼーっとしていました。意欲がなく、ただこの場所に来ているだけの時間が何日も続きました。半年経つ頃から、少しずつ言葉が出るようになり、絵が描けるようになりました。自分で説明書を読んでペーパークラフトができるようになりました。徐々に会話が増え、よく笑い、冗談を言うようになりました。そのうち作業所に通うことが決まり、私とのセッションは終了しましたが、お母さまはその後も近況報告をしてくださいました。今では作業所で収入を得るまでになったそうです。家族の介助、本人の努力、医療、そしてアートセラピー、、、当時は回復が難しいと言われていましたが、ここまで回復されたことは本当に素晴らしく、私にとってこの経験はとっても嬉しいことでした。

•80代男性

様子を見てほしいと男性の家族から依頼され、最近寝たきりになり、トイレにも介助が必要な状態になってしまった男性宅に行きました。お話はできるけれど私のことが認識できているのか微妙な感じでした。お宅に置いてあった鉛筆と広告の裏紙をつかって、お互いの顔を描き合いました。私が先に男性の顔を描き、次に男性が私の顔を描きました。会話をしながら手を動かし、家族みんなで笑いました。そのやり取りの最中、男性がトイレに行きたがりました。そして息子さんに支えられながら立ちあがり、歩いてトイレに向かわれたのです。家族一同顔を見合わせました。私もびっくりした瞬間でした。なぜ立てるようになったのか不思議でしたが、私はこれがアートの力だと感じました。その後、寝たきりを脱したとご連絡がありました。

​アートセラピー カウンセリング 心理療法 発達障害 心理検査

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